個人融資・私的な借入とは
ここでいう私的な借入とは、銀行以外から資金を得る方法の総称です。家族や知人からの借入、信用金庫・信用組合・労働金庫、貸付型クラウドファンディングなどが含まれ、選択肢になる一方で危険も潜みます。
日本で見られる主な形態
業として金銭を貸し付けるには、貸金業法に基づく登録が必要です。利息は利息制限法で上限が定められ、貸金業者からの借入は原則として年収の三分の一までに制限されます(総量規制)。登録のない「個人間融資」はヤミ金と変わりません。
信用金庫や労働金庫は地域や会員に根差した審査を行うため、事情を丁寧に説明すれば相談に応じてもらえる場合があります。
信用情報に異動がある場合
JICC、CIC、全国銀行個人信用情報センターには、延滞や債務整理などの情報が一定期間登録されます。いわゆるブラックでも道は閉ざされませんが、選択肢は狭まり、悪質業者に狙われやすくなります。
生活保護や低所得の世帯
生活保護世帯や低所得世帯は通常の融資を受けにくいのが実情です。まず福祉窓口や社会福祉協議会で、生活福祉資金貸付制度などの公的支援を確かめることが第一歩です。
現実的な五つの解決策
信用面に不安を抱える人の現実的な選択肢は、おおむね次の五つに整理できます。詳細は各機関の最新情報で確認してください。
| 解決策 | 信用情報の重視度 | 費用の特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 質屋 | ほぼ見ない | 質料は高め・期間は短い | 品物があり短期でしのぎたい |
| マイクロクレジット・公的貸付 | 一定の審査あり | 低利または無利子の制度もある | 生活の立て直しや小規模な事業 |
| クラウドファンディング・相互扶助 | 人とのつながりや信頼を重視 | 低利または無利子が多い | 医療や教育など目的が明確な支出 |
| 慈善・公益団体の支援 | 見ない | 原則として返済不要 | 急な困窮や生活の維持 |
| 創業支援 | 一定の審査あり | 政策的な融資条件 | 自ら事業を興して債務から抜け出す |
質屋
質屋は質屋営業法の許可を受け、貴金属や時計を預かって短期の資金を貸します。信用情報は照会せず、返せなくても品物を手放せば取立てはありませんが、質料は割高です。
マイクロクレジットと公的貸付
社会福祉協議会の生活福祉資金や一部の非営利団体による少額融資は、低所得世帯の生活再建を目的としています。正規の機関が融資前に手数料を求めることはありません。契約前に実質年率と返済計画を必ず確認しましょう。
クラウドファンディングと相互扶助
寄付型のクラウドファンディングは治療費など急な出費に活用されています。親族や知人同士の助け合いでは、返済の約束を書面に残すと後のトラブルを防げます。
慈善団体の支援と創業という道
フードバンクや生活困窮者を支えるNPO、労働組合などは、食料や一時金で支援しています。多くは返済不要で、自治体の相談窓口から紹介されることもあります。
事業を興して多重債務から抜け出したい人には、日本政策金融公庫の創業融資や商工会議所の創業相談が参考になります。返済が難しければ、法テラスで債務整理を相談する道もあります。
「融資保証金詐欺」の見分け方
「ブラックでも即日融資」「個人間融資」をうたう広告やSNSの投稿は詐欺の典型的な入口です。保証金や手数料の名目で振込を求め、入金後は連絡が途絶えます。次の兆候が一つでもあれば、すぐにやり取りをやめましょう。
- 融資の前に保証金や手数料の振込を求められる
- 「信用情報は一切見ない」「必ず借りられる」と断言する
- 連絡手段がSNSやメッセージアプリだけで、貸金業登録番号を確認できない
- キャッシュカード、通帳、暗証番号、認証コードを要求される
安全に借りるための手順
次の順序で進めれば、詐欺や返済不能に陥る危険を大きく減らせます。
- 信用情報機関に本人開示を請求し、自分の登録内容を把握する
- 収入と支出を書き出し、本当に必要な金額と無理のない返済額を決める
- 福祉窓口や社会福祉協議会で、利用できる公的支援を確かめる
- 金融庁の登録貸金業者情報検索などで、相手の登録を確認する
- 契約前に実質年率を計算し、契約書を最後まで読む
- 融資前の支払い要求には応じず、やり取りと振込の記録を保存する
よくある質問
信用情報に延滞の記録があっても借りられますか。可能性はありますが、選択肢は限られます。既存の延滞を解消することが先決です。
知人からお金を借りるときの注意点は。借用書を作り、金額、利息、返済期日を明記し、振込で受け渡して記録を残しておきましょう。
生活保護を受けていても借入はできますか。通常の借入は難しく、収入認定にも影響しうるため、まず担当のケースワーカーに相談することが勧められます。
保証金を振り込んでしまったらどうすればよいですか。追加の支払いをやめ、記録を保存して警察相談専用電話「#9110」や消費生活センター「188」に早めに相談し、振込先の金融機関にも連絡しましょう。
